事故発生に備える自動車保険

まずは加害者の自賠責加入先を確認し、書類を入手

自賠責の請求を行なうには、まず請求書類を準備しなければなりません。あなたが被害者の場合は、加害者のかけている自賠責の窓口へ請求しなければならないわけですが、加害者がどこで自賠責をかけているのかは、交通事故証明書を見て会社名と証明書番号を確認してください。

加入先がわかったら、今度は請求書類を手に入れてください。請求書類はたいていの場合、「自賠責保険金請求のご案内」という冊子とセットになっており、各保険会社または代理店、共済組合などに問い合わせれば無料でもらえます。直接、取りに行けない場合は、電話で申し込むと郵送もしてくれます。

もし、他社の請求書を使用する場合は、請求先の会社名を請求印で訂正します。ただしJAの自賠責共済の請求書は、保険会社の書式と違うので、供用はできません。

請求書類に記入が終わったら、請求先に、診断書などの必要書類とともに提出します。直接持っていっても郵送でもかまいませんが、郵送の場合は念のため書留にすることをおすすめします。

また、書類を直接持っていく場合は、窓口で「交通事故証明書、診断書、レセプトの原本証明をしてください」とひと言添えてください。必要枚数をコピーし「原本の写しに相違ありませんいという( ンコを押してもらえば、傷害保険(共済) などの請求にその書類を原本として使うことができます。

たいていの保険会社は、無料で行なってくれます。診断書といえども、病院で1 枚書いてもらうには最低でも3000 円の手数料がかかります。5枚で1万5000 円ですからバカになりませんね。

請求書を受け取った保険会社や共済組合は、まず事故発生時点での保険契約が有効かどうかの確認を行ない、同時に不足書類の有無や印鑑もれをチェックします。

不足があれば連絡が来ますので、その指示に従ってください。そして、その書類を損害保険料率算出機構の調査事務所へ送り、調査事務所が支払額等を計算します。

保険会社や全労済から請求書類が送られると、損害保険料率算出機構の調査事務所では請求書ごとに、受付番号と担当者を決めます。これらは、請求書を保険会社に提出してから3?4日で決まりますので、支払時期などについて知りたい場合は、保険会社に聞けば教えてくれます。

交通事故の示談をあっせんと不調

日弁連交通事故相談センターと交通事故紛争処理センターは示談あっせんがうまくいかなかった場合の手続きにも異同が見られます。

① 審査権限が及ぶ対象が異なる示談あっせんは日弁連交通事故相談センターでも、交通事故紛争処理センターでも実施しています。

しかし、示談あっせんが難航し、審査( 示談あっせんが不調に終わった場合には当事者からの申し出によって行われる裁定手続き) に至った場合、その審査権限が及ぶ対象に違いがあります。

弁連交通事故相談センターの審査権限が及ぶのは、加害者側の示談代行をしている組織が特定の共済の場合です。損害保険会社( 損保)の場合は審査に持ち込むことができません。一方、交通事故紛争処理センターは損害保険協会に加盟している損保と一部の共済に及びます。したがって相談する前提として加害者の代行をしている組織が損保か共済か詳しく調べておくべきでしょう。

② 弁護士が一貫して担当してくれるかどうかも異なるまた、法律相談から示談あっせんに移る場合、日弁連交通事故相談セッターでは法律相談の担当弁護士以外の弁護士が示談あっせんを担当しますが、交通事故紛争処理センターでは当初の法律相談を担当した弁護士が示談あっせんを最後まで担当します。

担当の嘱託弁護士は、当初の法律相談の段階では、被害者側からの一方的な情報だけをもとに被害者の立場に立ってアドバイスします。しかし、示談あっせんに移行した段階では、相手方( 保険会社や加害者本人) からも情報や資料の提供を受けて、中立公正な第三者の立場であっせんしますから、同じ弁護士でも立場が異なってきます。

③ 弁護士の紹介について両方の相談機関とも、今後訴訟にいたる場合を含めての「自分の弁護士」を紹介してくれるということはありません。ただし、相談を通じて知り合った弁護士に、個人的に訴訟追行を依頼するということは可能です。もちろん弁護士の都合上引き受けてもらえないということはありますが、本当に訴訟にまで発展する可能性も出てきた場合には、思うところをアピールするべきでしょう。

しかし、死亡事故の場合も、死亡の日から2 年が経過すると時効によって保険会社に賠償請求できなくなりますから、その前に示談交渉を終える必要があります。死亡事故の場合、遺族はとくに感情的になるものです。

しかし、遺された遺族の以後の生活のことを考えると、なるべく早めに損害賠償金を支払ってもらうべきです。亡くなったのが一家の大黒柱であった場合ならばなおさらのことです。

なお加害者に誠意がなく、話し合いが上手くまとまらない場合、被害者の遺族から加害者の強制保険に対して被害者請求をすることもできます。示談交渉について加害者が何も言ってこない場合、内容証明郵便で交渉の開始を申し入れてみるとよいでしょう。

その他、ケガの治療や手術をしたことを証明するために、診断書( 死亡事故の場合は死体検案書) や診療報酬明細書、各種領収書なども必要になります。さらに、死亡事故の場合、死亡した者の葬儀費用、仏壇購入費、墓碑建立費などが損害として認められることもありますので、これらの明細や領収書もとっておきます。

この書類に該当するのは、会社員や公務員などの給与所得者であれば、源泉徴収票、所得証明、給与明細などです。個人事業者の場合は、確定申告書の写し( または控え) や納税証明書によって収入を証明します。