保険金を受取る際に注意すること

保険金・給付金が受け取れない場合

(1) 告知義務違反と解除契約者または被保険者が、故意または重大な過失により重要な事実について告知しなかったり、事実と違うことを告げていた場合には、保険会社は「告知義務違反」としてその契約を「解除」することができます。

解除すると、それ以前に死亡事故等が発生していても、保険金や給付金は支払われません。ただし、事故の原因と告知義務違反とされる内容との間にまったく因果関係がないときは、保険金や給付金は支払われます。また、保険契約を解除した場合、解約返れい金があれば払い戻されます。なお、次の場合には、保険会社は解除できないことになっています(解除権消滅)。

①契約が契約日(または復活日)から2年をこえて有効に継続した場合

②保険会社が解除の原因を知ってから、1か月以内に解除を行わなかった場合

ところで、告知が正しくされたかどうかは、加入後、保険証券とともに送られてくる告知書の写しで必ず内容の確認をすることが大切です。もし間違いがあれば、直ちに保険会社へ連絡しなければなりません。

(2) 契約の無効

かたちのうえでは保険契約が成立しても、法律上その効果が生じないことを「契約の無効」といい、約款では2点定められています。まず、契約者または被保険者の詐欺による契約の場合です。たとえば、契約申込時に病気の人が健康な友人を身代わりに立てて診査医に診査してもらって保険に加入するような場合です。

このような詐欺の場合は、告知義務違反の場合のような除斥期聞はなく、契約後何年経過していても保険金は支払われません。また、この場合には、商法643条・683条1項により、保険料も返還されることはありません。それは、詐欺行為に対する制裁の意味合いを含んでいるからです。

もう1つは、被保険者の年齢が保険会社の定めた範囲外であった場合で、こちらのケースでは保険料が返還されます。

(3)免責

生命保険会社は、保険事故が発生した場合に、保険金受取人に対して保険金を支払う義務がありますが、保険事故の内容によっては保険金支払義務を免れることがあります。これを「免責」といいます。また、保険会社が保険金の支払いをしなくてもいい特定の事由を「免責事由)といいます。商法では、死亡保険金の免責事由を次のように定めています。

⑦ 被保険者の自殺(商法680条1項1号)@被保険者が決闘その他の犯罪または死刑執行により死亡したとき(商法680条1項1号)@保険金受取人が故意に被保険者を死亡させたとき(商法680条1項2号)@保険契約者が故意に被保険者を死tさせたとき(商法680条1項3号)@ 戦争その他の変乱により被保険者が死亡したとき(商法683条→640条)

ただし、生命保険約款では商法の規定を若干援和しており、また免責事由の範囲は生命保険会社によって異なっています。

たとえば、被保険者の自殺について、保険約款では免責を契約後1年間だけに限定していますし、被保険者の犯罪行為や死刑の執行による死亡については、会社により一定期間に限定して免責するとか、あるいはまったく免責事由としていない場合もあります。

さらに、戦争その他の変乱によって死亡または高度障害状態になった被保険者の数の増加が、保険の計算基礎に及ぽす影響が少ないと認められたときは、その程度に応じて全額または削減された保険金が支払われます。以上は、死亡保険金が支払われない場合ですが、ほかに災害による保険金や給付金が支払われない場合として、次のようなものがあげられます。

● 契約者または被保険者の故意または重大な過失によるとき
●災害死亡保険金の受取人の故意または重大な過失によるとき
●被保険者の犯罪行為によるとき
●被保険者の精神障害または泥酔の状態を原因とする事故によると

●被保険者が法令に定める運転資格をもたないで、運転している間
に生じた事故によるとき
●被保険者が法令に定める酒気帯び運転またはこれに相当する運転
をしている聞に生じた事故によるとき
●地震、噴火または津波によるとき、戦争その他の変乱によるとき…

ただし、この場合、保険の計算基礎に及ぽす影響が少ないと認められたときは、その程度に応じて全額または削減された保険金が支払われます。

保険相談の窓口

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手がかりは「証拠」。事故車や衣類、現場の写真など、万一に備えて証拠集めを

バイクとトラックの衝突事故で、当初は亡くなったバイクの青年の信号無視が原因とされていたのですが、母親が必死で証拠をかき集めた結果、信号無視をしたのはトラックの方たったことを突き止めたのです。

そして、まったくおりないと言われていた自賠責が、減額なしに100% 支払われたというのです。このように、被害者の家族が独自に押さえた証拠がもとになって過失割合が逆転した例や、裁判で勝訴して自賠責が全額支払われることになったというような例は少なくありません。

どちらかが亡くなったり重傷を負ったような場合は、片方の言い分だけで警察の捜査が終了してしまうことが多く、最終的にはその書類が、自賠責や任意保険の支払いにも影響するわけですが、事故から数力月経ってその調査結果に不満を抱いてみても、なにを根拠に「異議申立て」をすればいいのかわからず、多くの人がそのままあきらめるしかないというのが現実です。

そんなとき、真実解明の手がかりになるのは「証拠」しかありません。現場に残されたスリップ痕や事故車の損傷、また、被害者の衣類などは、事故の瞬間を物語るなによりの証言者です。

解決するまではできるかぎり現物を保管し、それが無理なものは写真で残しておいてください。特に、事故直後の現場には事故の痕跡がたくさん残されています。落下物などはすぐに片付けられてしまいますし、雨でも降ればスリップ痕も消えてしまうので、早めに、多くの角度からたくさん撮影しておくことです。事故車も重要な証拠となります。

警察に保管されていない場合は、すぐに修理や廃車手続きにまわされてしまうので、保険会社に修理工場の名前を聞き、写真を撮らせてもらいましょう。

ポイントは正面・側面を同じ距離から撮ること、また、損傷箇所のアップも必ずおさえておきます。写真にはスケールに代わるもの(道路の工作物やタバコなど)を入れて撮ると、後で大きさがわかりやすく便利です。

また、衣類などは、血がついていたりして目にするのは辛いものですが、事故が解決するまでは、できるかぎり洗濯しないまま保存しておきましょう。もちろん、事故直後にこのような動きをすることはとても難しいものです。

でも、後で後悔しないためにも、自分か動けないときは周囲の人に頼むなどして早期の証拠保全に全力を尽くしてください。中には「そんなこと、警察がやってくれるんじゃないの?」という人も多いと思いますが、警察の作った調書類はあくまでも刑事事件の捜査のためのもの。加害者の刑事処分が決まるまでは、ほとんど見ることができないのです。

ダイレクト通販型自動車保険の利点

「被害者請求」と「加害者請求」、自賠責請求には7つのパターンがある

請求内容、被害者の状況、年齢などによって、そろえなければならない書類は違う

自賠責保険への請求には、さまざまな書類が必要です。「請求書に住所と名前を記入すればハイ終わり!」というのならラクですが、保険金を受け取るためには、証明しなければならないことがいろいろあるのです。

提出書類の基本となるのは、自賠責保険金支払請求書、交通事故証明書、事故発生状況報告書、診断書、診療報酬明細書、印鑑証明書などですが、加害者請求と被害者請求、傷害事故と死亡事故、また請求者が成人か未成年かによっても、そろえなければならない書類が異なります。

まずは、加害者が加入している自賠責の保険会社に問い合わせましょう。窓口に行けば請求書類一式をもらうことができます。また、頼めば郵送もしてもらえます。

請求書類を受け取ったら、所定の用紙に必要事項を記入し、病院や役所から必要書類を取り寄せます。わからないことがあったら、そのつど保険会社に問い合わせましょう。時開かかかりそうなときは、時効中断の手続きをしてください。

重度後遺障害の場合も家族が代わって請求しますが、被害者が死亡の場合は、遺族が請求を行ないます。そのほかに、治療費のみの請求を病院に依頼することを「委任請求」といい、委任状が必要な場合があります。

97年9月に出された運輸省(現・国土交通省)の通達を受け、同じ年の12月に自算会(現・損害保険料率算出機構) が打ち出しか改善策。

この改善策は、1998年4月1日からすでに実施されています。取り組み内容については、対象となる「特定事案」にあてはまる可能性のある人はぜひ参考にしてください。

「被害者等に対する情報開示および情報提供の充実」は、被害者すべてに当てはまる内容です。

事故発生に備える自動車保険

まずは加害者の自賠責加入先を確認し、書類を入手

自賠責の請求を行なうには、まず請求書類を準備しなければなりません。あなたが被害者の場合は、加害者のかけている自賠責の窓口へ請求しなければならないわけですが、加害者がどこで自賠責をかけているのかは、交通事故証明書を見て会社名と証明書番号を確認してください。

加入先がわかったら、今度は請求書類を手に入れてください。請求書類はたいていの場合、「自賠責保険金請求のご案内」という冊子とセットになっており、各保険会社または代理店、共済組合などに問い合わせれば無料でもらえます。直接、取りに行けない場合は、電話で申し込むと郵送もしてくれます。

もし、他社の請求書を使用する場合は、請求先の会社名を請求印で訂正します。ただしJAの自賠責共済の請求書は、保険会社の書式と違うので、供用はできません。

請求書類に記入が終わったら、請求先に、診断書などの必要書類とともに提出します。直接持っていっても郵送でもかまいませんが、郵送の場合は念のため書留にすることをおすすめします。

また、書類を直接持っていく場合は、窓口で「交通事故証明書、診断書、レセプトの原本証明をしてください」とひと言添えてください。必要枚数をコピーし「原本の写しに相違ありませんいという( ンコを押してもらえば、傷害保険(共済) などの請求にその書類を原本として使うことができます。

たいていの保険会社は、無料で行なってくれます。診断書といえども、病院で1 枚書いてもらうには最低でも3000 円の手数料がかかります。5枚で1万5000 円ですからバカになりませんね。

請求書を受け取った保険会社や共済組合は、まず事故発生時点での保険契約が有効かどうかの確認を行ない、同時に不足書類の有無や印鑑もれをチェックします。

不足があれば連絡が来ますので、その指示に従ってください。そして、その書類を損害保険料率算出機構の調査事務所へ送り、調査事務所が支払額等を計算します。

保険会社や全労済から請求書類が送られると、損害保険料率算出機構の調査事務所では請求書ごとに、受付番号と担当者を決めます。これらは、請求書を保険会社に提出してから3?4日で決まりますので、支払時期などについて知りたい場合は、保険会社に聞けば教えてくれます。

自動車保険できかない治療について

健康診療、自由診療、どちらで治療を受けるかは、あくまで患者が決めること

「交通事故の場合、健康保険は使えません。自由診療となります」なぜそう答える病院が多いのか… 、前項までの説明で、おおよその見当がついたのではないつまり、「患者側から見れば健保診療の方がトク」で、「病院側から見れば自由診療の方がトク」だということ。

自由診療で患者を診る方が、病院の収益はアップするのです。しかし、どちらの方法で治療してもらうかは、あくまでも患者が決めることです。決定権は健康保険の自動車保険である患者( 被害者) にあるので、病院の言いなりになる必要はありません。

しかし、現実問題として、一生懸命治療に当たってくれている医師に、「健保を使いたいのですが… …」と切り出すのは、なかなか勇気がいるものです。「医師に嫌われたらどうしよう」「自動車保険と健保診療で、治療内容に差がついたらどうしよう」と、不安を訴える被害者も少なくありません。

このようなときは、「私の過失が大きくて、加害者の任意保険から保険金はおりそうにありません。自賠責の範囲内でしか賠償が受けられないので、できるだけ治療費を抑えたいのです」ということをはっきり伝えましょう。そして理解してもらうことです。

もし、そのように説明しても、病院が健康保険での診療を拒否したときは、都道府県の保険課へ相談してください。

実際に、厚生省(当時)からは、「健康保険及び国民健康保険の自動車損害賠償責任保険などに対する求償事務の取扱いについて」という通達が出されています(昭和43年通達一〇六号)。簡単にいうと、「交通事故でも健保が使えますよ」という内容です。

その中から一部抜粋して「……なお、最近、自動車保険については、保険給付が行なわれないとの誤解が被保険者の一部にあるようであるが、いうまでもなく、自動車による保険事故も一般の保険事故となんら変わりがなく、保険給付の対象となるものであります。

この点について誤解のないよう、住民、医療機関に周知を図るとともに、保険者が被保険者に対して十分理解されるよう指導されたい……」このような話をしてもまだ拒否する場合は、早めに良心的な病院に移ることを考えた方がよいです。

交通事故の示談をあっせんと不調

日弁連交通事故相談センターと交通事故紛争処理センターは示談あっせんがうまくいかなかった場合の手続きにも異同が見られます。

① 審査権限が及ぶ対象が異なる示談あっせんは日弁連交通事故相談センターでも、交通事故紛争処理センターでも実施しています。

しかし、示談あっせんが難航し、審査( 示談あっせんが不調に終わった場合には当事者からの申し出によって行われる裁定手続き) に至った場合、その審査権限が及ぶ対象に違いがあります。

弁連交通事故相談センターの審査権限が及ぶのは、加害者側の示談代行をしている組織が特定の共済の場合です。損害保険会社( 損保)の場合は審査に持ち込むことができません。一方、交通事故紛争処理センターは損害保険協会に加盟している損保と一部の共済に及びます。したがって相談する前提として加害者の代行をしている組織が損保か共済か詳しく調べておくべきでしょう。

② 弁護士が一貫して担当してくれるかどうかも異なるまた、法律相談から示談あっせんに移る場合、日弁連交通事故相談セッターでは法律相談の担当弁護士以外の弁護士が示談あっせんを担当しますが、交通事故紛争処理センターでは当初の法律相談を担当した弁護士が示談あっせんを最後まで担当します。

担当の嘱託弁護士は、当初の法律相談の段階では、被害者側からの一方的な情報だけをもとに被害者の立場に立ってアドバイスします。しかし、示談あっせんに移行した段階では、相手方( 保険会社や加害者本人) からも情報や資料の提供を受けて、中立公正な第三者の立場であっせんしますから、同じ弁護士でも立場が異なってきます。

③ 弁護士の紹介について両方の相談機関とも、今後訴訟にいたる場合を含めての「自分の弁護士」を紹介してくれるということはありません。ただし、相談を通じて知り合った弁護士に、個人的に訴訟追行を依頼するということは可能です。もちろん弁護士の都合上引き受けてもらえないということはありますが、本当に訴訟にまで発展する可能性も出てきた場合には、思うところをアピールするべきでしょう。

しかし、死亡事故の場合も、死亡の日から2 年が経過すると時効によって保険会社に賠償請求できなくなりますから、その前に示談交渉を終える必要があります。死亡事故の場合、遺族はとくに感情的になるものです。

しかし、遺された遺族の以後の生活のことを考えると、なるべく早めに損害賠償金を支払ってもらうべきです。亡くなったのが一家の大黒柱であった場合ならばなおさらのことです。

なお加害者に誠意がなく、話し合いが上手くまとまらない場合、被害者の遺族から加害者の強制保険に対して被害者請求をすることもできます。示談交渉について加害者が何も言ってこない場合、内容証明郵便で交渉の開始を申し入れてみるとよいでしょう。

その他、ケガの治療や手術をしたことを証明するために、診断書( 死亡事故の場合は死体検案書) や診療報酬明細書、各種領収書なども必要になります。さらに、死亡事故の場合、死亡した者の葬儀費用、仏壇購入費、墓碑建立費などが損害として認められることもありますので、これらの明細や領収書もとっておきます。

この書類に該当するのは、会社員や公務員などの給与所得者であれば、源泉徴収票、所得証明、給与明細などです。個人事業者の場合は、確定申告書の写し( または控え) や納税証明書によって収入を証明します。